2012小論文入門②
前回の二つの文章について。
まず、その1。色々な経験がたくさんあったので春が好きだ、ということが伝えたいのはわかる。だからこそ、あれこれと出来事を並べて書いたのだろう。ただ、この字数では、あれこれ書いてしまうと、ひとつひとつが薄っぺらな話しになってしまう可能性が高いが、本答案も、まさにそのようなものになってしまったようだ。ひとつひとつの事象は、あたかも春にありそうなことではあるのだが、誰にでも思いつくような事例に過ぎない。実際には体験していなくても、ありがちな一般論として語ることの出来るものでしかないのだ。これでは、書き手自身の、春を好きな度合いが伝わってこない。結果として、多くの人に、説得力に欠ける答案であると評価されるだろう。
一方、その2は、自分の子供の頃の体験にこだわって述べられている。また、その体験から、冬が自分にとってどのようなのであるのかということが、分析されていると言える。雪のやんだ朝という体験 → 冬は清潔、という話しは、書き手自身の問題意識が十分伝わってくるため、説得力のある文章であると思えるのだ。
両者を比較して言えることは、テーマを絞り、具体的な事例を取り上げ、分析、検証していくことが、少なくともなにかを伝達する上で、効果的なのだということだろう。もちろん、全ての文章についてそれがあてはまるわけではないが、一つの重要なポイントではあるはずだ。その1のような文章は、形式を整え、正しそうな意見を述べることが大切だと考えている人が書きそうなものではないか。そして、そう考える人は結構多いのではないか。僕も学生の頃はそうだったように思う。それはおそらく、表現のレベルでは、けっして悪いことではないのだろう。ただ、なにかを伝達するというレベルにおいては、不利になることが多いのではないかと思われるのだ。






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